【JGAルール対応】ゴルフ暫定球の5つの基本と実践で役立つ3つの応用テクニック

「あれ?今のショット、OBかも…」
ゴルフをプレーしていると、誰もが一度は経験するこの焦りの瞬間。特に初心者の方なら、この後どうすればいいのか迷ってしまいますよね。そんなとき、あなたを救ってくれるのが「暫定球(プロビジョナルボール)」というルールです。
実は、この暫定球を適切に使いこなせるかどうかで、あなたのスコアだけでなく、プレーの流れやメンタルまでも大きく変わってくるのです。
本記事では、JGAルール(日本ゴルフ協会ルール)に完全対応した暫定球の基本から、実践で即役立つ応用テクニックまでを徹底解説します。これを読めば、コース上での判断に迷うことなく、自信を持ってプレーを続けられるようになりますよ。
暫定球の5つの基本ルール【JGA公認】

まずは、暫定球に関する5つの基本ルールを押さえておきましょう。これさえ理解しておけば、コースでの基本的な対応は万全です。
基本①:暫定球とは何か?その2つの意味を理解する
「暫定球」には実は2つの意味があります。
1つ目は、OBやロストボールの可能性がある場合に、同じ場所から打ち直すショットのことです。これが正式な「プロビジョナルボール(Provisional Ball)」と呼ばれるものです。
2つ目は、プレー中に持ち歩いている予備のボール自体を指します。カバンやポケットに入れている交換用のボールですね。
本記事では主に1つ目の意味、つまり「OBやロストの可能性がある場合に打つ予備のショット」について詳しく解説していきます。
基本②:暫定球を打つべき3つのタイミング
暫定球を打つべきタイミングは主に以下の3つです:
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OBの可能性がある場合:打ったボールがOBライン(白杭)を超えて場外に出た可能性がある場合
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ボールが見つからない可能性がある場合:深い林や草むらにボールが入り、3分以内に見つからない可能性がある場合
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ペナルティエリアかどうか不明な場合:ボールが水際に向かって飛んでいき、ペナルティエリア(旧ウォーターハザード)に入ったか不明な場合
特に初心者の方は、「まあ大丈夫だろう」と楽観視せず、少しでも不安を感じたら暫定球を打つ習慣をつけることをおすすめします。時間短縮になるだけでなく、精神的な余裕も生まれますよ。
基本③:必ず「プロビジョナルボールを打ちます」と宣言する
これは非常に重要なポイントです。暫定球を打つ際は、必ず同伴者に「プロビジョナルボールを打ちます」と宣言してください。
この宣言をせずに2球目を打ってしまうと、それは「暫定的な球(暫定球)」ではなく、「打ち直し」とみなされ、1打罰に加えて2打目を打ったことになってしまいます。つまり、すでに3打目を打つことになるのです。
初心者の方でも「プロビジョナル」という言葉が言いづらければ、「暫定球を打ちます」と日本語で宣言しても問題ありません。重要なのは、同伴者に暫定球であることを明確に伝えることです。
基本④:元のボールが見つかった場合の対応
暫定球を打った後、元のボールが見つかった場合の対応は状況によって異なります:
-
元のボールがインバウンド(コース内)で見つかった場合:元のボールでプレーを続行し、暫定球は拾い上げます
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元のボールがOBだった場合:暫定球でプレーを続行します(この場合、元のショットに1打罰が加わります)
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元のボールが3分以内に見つからなかった場合:ロストボールとなり、暫定球でプレーを続行します(この場合も1打罰)
ここで注意したいのは、元のボールを探す制限時間は3分間だということです。これはJGAルールで明確に定められています。なお、2023年の改正により、遠くで見つかったボールが自分のものかを確認する場合には、追加で1分間の合理的な時間が認められるようになりました。
3分を超えて探し続けると、後続のプレーヤーに迷惑がかかりますので、時間厳守を心がけましょう。
基本⑤:暫定球を打たなかった場合のペナルティ
暫定球を打たずにOBやロストボールだった場合、どうなるのでしょうか?
この場合、「ストロークと距離の罰」が適用されます。つまり:
-
元の打った場所まで戻る(これが「距離の罰」)
-
1打罰を加える(これが「ストロークの罰」)
-
そこから改めてショットを打つ(これが3打目になります)
例えば、ティーショットがOBになり暫定球を打っていなかった場合、ティーグラウンドに戻って3打目を打つことになります。これは時間のロスだけでなく、プレーの流れも大きく妨げることになります。
特に混雑したコースでは、後続のプレーヤーを待たせることになり、プレー全体の雰囲気も悪くなりがちです。暫定球をうまく活用することで、こうした状況を避けることができるのです。
実践で役立つ暫定球の3つの応用テクニック

基本ルールを理解したところで、次は実際のプレーで役立つ応用テクニックを見ていきましょう。これらのテクニックを身につければ、暫定球を戦略的に活用できるようになります。
応用①:暫定球の活用でメンタルを安定させる方法
ゴルフは「メンタルゲーム」とも言われるスポーツです。特にOBの恐怖は多くのゴルファーを悩ませる要因になっています。
暫定球を適切に活用することで、このメンタル面での不安を大きく軽減できます。具体的には:
-
「とりあえず暫定球がある」という安心感:OBの可能性があっても、暫定球という「保険」があることで、最初のショットに過度な緊張をせずに臨めます
-
暫定球を良い結果につなげる思考法:暫定球を打つ際に「これが本命のショットだ」と前向きに捉えることで、むしろ良い結果につながることもあります
-
時間的余裕からくる精神的余裕:暫定球を打っておくことで、焦ってボールを探す必要がなくなり、精神的な余裕が生まれます
初心者の方ほど「OBかも」と思った時点で暫定球を打つ習慣をつけることで、メンタル面での成長も早くなります。「失敗を恐れる」より「失敗に備える」という考え方が、長い目で見ればスコアアップにつながるのです。
応用②:同伴者との円滑なコミュニケーション術
ゴルフは個人競技でありながら、同伴者との円滑なコミュニケーションが重要なスポーツです。暫定球に関しても、適切なコミュニケーションが求められます。
以下のようなフレーズを覚えておくと便利です:
-
「すみません、今のショットはOBの可能性があるので、暫定球(プロビジョナルボール)を打ちます」
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「初心者で申し訳ありませんが、今の場合、暫定球を打った方がよいでしょうか?」
-
「暫定球を打ちますので、少々お待ちください」
特に初心者の方は、遠慮せずに同伴者に相談することをおすすめします。経験豊富なゴルファーは、初心者の方が暫定球について質問してくることを歓迎してくれるものです。
また、暫定球を打つ際は、同伴者に明確に伝えるだけでなく、暫定球と元のボールを区別できるようにマーキングしておくとさらに良いでしょう。例えば、暫定球には赤いマークを付けるなど、一目で区別できる工夫をしておくと、後のプレーがスムーズになります。
応用③:コース状況に応じた暫定球の使い分け戦略
すべてのコースやホールで同じように暫定球を扱うのではなく、状況に応じた使い分けができると、より効率的なプレーが可能になります。
以下のような状況別の戦略を覚えておきましょう:
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OBが両サイドにあるホールでは:少しでも不安があれば暫定球を打つ。特にドライバーでのティーショットは要注意
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混雑しているコースでは:後続のプレーヤーへの配慮から、迷ったら暫定球を打っておく
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見通しの悪いホールでは:ボールが見えなくなる場所に飛んだ場合は、積極的に暫定球を活用
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競技会では:特に慎重に判断し、ルールに則った正確な宣言と手続きを行う
また、スコアカードに暫定球を打ったことをメモしておくという習慣も非常に役立ちます。「P」や「予」などの印をその場で書いておくことで、後でスコアをつける際の混乱を避けることができます。
これらの応用テクニックは、練習ラウンドで意識的に試してみることで、自然と身についていきます。特に初心者の方は、最初のうちは「過剰なくらい」暫定球を活用する心構えで臨むと良いでしょう。
ゴルフ初心者が犯しがちな暫定球に関する5つの誤解

ゴルフ初心者の方が暫定球について持ちがちな誤解を解消し、正しい知識を身につけましょう。
誤解①:「暫定球はいつでも打ってよい」
正しい理解:暫定球は「OBやロストボールの可能性がある場合」にのみ打つことができます。単に最初のショットが気に入らなかったからといって暫定球を打つことはできません。
例えば、ティーショットがフェアウェイに入ったものの、距離が短かったからといって暫定球を打つことはルール違反です。暫定球はあくまでOBやロストの「可能性」がある場合の特別措置なのです。
誤解②:「暫定球を打つと必ず1打罰になる」
正しい理解:暫定球を打つこと自体にはペナルティはありません。元のボールがインバウンドで見つかれば、暫定球は無効になり、ペナルティもありません。
ペナルティが課されるのは、元のボールがOBだった場合やロストボールになった場合です。この場合は1打罰となり、暫定球でプレーを続けることになります。
誤解③:「暫定球はティーショットでしか打てない」
正しい理解:暫定球はティーショットに限らず、コース上のどのショットでも、OBやロストの可能性がある場合には打つことができます。
例えば、2打目のアプローチショットがOBの可能性がある場合も、同じ場所から暫定球を打つことができます。ただし、必ず宣言することを忘れないようにしましょう。
誤解④:「暫定球は必ず同じクラブで打たなければならない」
正しい理解:暫定球は必ずしも同じクラブで打つ必要はありません。状況に応じて別のクラブを選択しても構いません。
例えば、ドライバーでOBの可能性があるショットをした後、暫定球ではより安全なクラブ(例えばスプーンやユーティリティ)を選んでも問題ありません。むしろ状況に応じた適切なクラブ選択は、スコアメイキングの観点からも推奨されます。
誤解⑤:「暫定球を打つのは初心者だけ」
正しい理解:暫定球はスキルレベルに関係なく、すべてのゴルファーが活用すべきルールです。実際、プロゴルファーも状況に応じて暫定球を活用します。
暫定球を活用することは「下手だから」ではなく、「効率的なプレーのため」という意識を持つことが大切です。むしろ経験豊富なゴルファーほど、暫定球を戦略的に活用する傾向があります。
まとめ:暫定球は初心者こそ味方にすべきルール

本記事では、JGAルールに完全対応した暫定球の基本と応用テクニックを解説してきました。改めて重要なポイントをまとめます:
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暫定球はOBやロストボールの可能性がある場合に打つショットであり、必ず宣言が必要
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暫定球を適切に活用することで、時間短縮だけでなく精神的余裕も生まれる
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元のボールがインバウンドで見つかれば暫定球は無効になり、ペナルティもない
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暫定球を打たずにOBやロストボールになると、元の場所に戻って3打目を打つことになり、大幅な時間とストロークのロスになる
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暫定球はティーショットに限らず、コース上のどのショットでも活用できる
ゴルフ初心者の方こそ、この暫定球というルールを味方につけることで、より楽しくスムーズなゴルフライフを送ることができます。「OBかも」と思ったら、迷わず「プロビジョナルボールを打ちます」と宣言し、2球目を打つ習慣をつけましょう。
最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、この習慣が身につくことで、あなたのゴルフはより効率的になり、スコアアップにもつながるはずです。何より、OBの恐怖に怯えることなく、のびのびとショットを打てるようになるでしょう。
ゴルフは長く楽しめるスポーツです。基本的なルールを正しく理解し、戦略的に活用することで、生涯にわたって上達し続けることができます。暫定球のルールをマスターして、あなたのゴルフライフをより豊かなものにしていきましょう!
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