ゴルフ初心者のためのリリーフを徹底解説

ゴルフ初心者
先生、「リリーフ」ってゴルフ用語でどういう意味ですか?

ゴルフマスター
いい質問だね!ゴルフでは、ボールが障害物の後ろにあったり、傾斜で打てない場所に行ってしまった場合に、ルールで決められた場所からボールを打ち直せるんだ。この打ち直すことを「リリーフ」って言うんだよ。

ゴルフ初心者
なるほど!打ち直せる場所って決まっているんですか?

ゴルフマスター
そうなんだ。リリーフできる場所はルールで決められていて、例えば「ニアレストポイント」と呼ばれる、今のボールの位置からホールに近づかず、障害物からも1クラブレングスまたは2クラブレングス以内の場所からドロップして打ち直すんだ。
リリーフとは

ゴルフ用語の「リリーフ」は、「救済」を意味し、ルールで定められた地点から1クラブまたは2クラブの長さ以内で、かつホールに近づかないエリアにボールをドロップできることを指します。
この救済を受けられる最も近い地点は「ニアレストポイントオブリリーフ(Nearest Point of Relief)」、救済エリアは「リリーフエリア(Relief area)」と英語で表現されます。
現行のゴルフ規則は、R&A(全英ゴルフ協会)とUSGA(全米ゴルフ協会)によって統括されており、2019年に67年ぶりの大幅改正が行われ、2023年にも重要な更新がありました。これらの改正により、ゴルフはより分かりやすく、プレー時間も短縮できるスポーツへと進化しています。
リリーフとは救済措置のひとつ
ゴルフにおいて「リリーフ」とは、プレー中に困った状況から抜け出すための救済措置です。
例えば、ボールがカート道の上に止まってしまったり、木の後ろに行ってしまったり、深いラフに埋もれてしまったりした場合に、一定のルールとペナルティのもとで、ボールを打ちやすい場所に移すことができるのです。
初心者のうちは、ナイスショットばかりとは限りません。むしろ、予期せぬトラブルに見舞われることの方が多いでしょう。そんな時に、このリリーフのルールを知っているかどうかで、スコアが大きく変わってくることもあります。落ち着いて状況を判断し、リリーフを上手く活用することで、大叩きを防ぎ、ゴルフをより楽しむことができるでしょう。
リリーフの種類
リリーフには大きく分けて2種類あります:
**無罰の救済:**動かせない障害物(カート道、マンホールなど)、異常なコース状態(修理地、一時的な水たまりなど)、目的外グリーンからの救済など。これらの状況では、罰打なしでリリーフを受けることができます。
**罰ありの救済:**アンプレヤブル、ペナルティーエリア(旧ウォーターハザード)、OB(アウトオブバウンズ)からの救済など。これらの状況では、通常1打または2打の罰打が科されます。
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リリーフが必要な場面とは

ゴルフには、ボールが想定外の場所に止まってしまい、本来のスイングができない状況が度々起こります。
例えば、カート道の上にボールが止まってしまったり、修理地(整備中のエリア)にボールが入ってしまったり、一時的な水たまりにボールが沈んでしまったり、木が邪魔でクラブを振れなかったり…。
このような、そのまま打つのが難しい状況を打開するために用いるのが「リリーフ」です。
リリーフは、状況に応じてボールを動かすことができるルールであり、初心者のうちは特に、スムーズなプレーを進めるために重要なテクニックと言えるでしょう。
無罰でリリーフを受けられる主な状況
動かせない障害物(規則15.2)
- カート道路
- 排水溝やマンホール
- スプリンクラーヘッド
- 杭や標識(動かせないもの)
異常なコース状態(規則16.1)
- 修理地(青杭や白線で囲まれたエリア)
- 一時的な水たまり(雨後の水溜まりなど)
- 動物の穴(モグラの穴など)
目的外グリーン
- プレーしているホール以外のグリーン(サブグリーン)
これらの状況では、罰打なしでリリーフを受けることができます。ただし、正しい手順を踏まなければペナルティの対象となるため、注意が必要です。
リリーフの取得方法

ゴルフにおいて、リリーフとは、ボールが動かせない障害物や、水たまりなどのハザード、または異常なコース状態にある場合に、罰打なしでボールを別の場所に移動できる救済措置です。
リリーフを受けるには、まず自分がリリーフの対象となる状況にいるかどうかを確認する必要があります。規則書は複雑なので、最初はゴルフ仲間やキャディーに相談してみましょう。
リリーフの対象となる状況だと判断したら、まずアンプレヤブルを宣言するか、状況に応じたリリーフを選択します。
その後、リリーフの基準となる場所(ニアレストポイント)とそこから1クラブレングスの範囲、または2クラブレングスの範囲で、ホールに近づかない位置にボールをドロップします。
ドロップしたボールが範囲外に転がったり、再び元の位置に戻ったりした場合は、再度ドロップする必要があります。2回ドロップしても救済エリア内に止まらない場合は、2回目にボールが落下した地点にボールをプレースします。
リリーフは状況に応じて適切な手続きを行う必要があるため、初心者の方はゴルフ規則をしっかりと理解しておくことが重要です。
ニアレストポイントの決定
「ニアレストポイント」って、ゴルフ初心者にとっては聞き慣れない言葉ですよね。簡単に言うと、ボールがコースの障害区域(カート道や修理地など)に入った時に、そこから安全にプレーできる場所を見つけるための基準点のことです。
ニアレストポイントを決める3つの条件
ニアレストポイントを正しく決めるには、以下の3つの条件を満たす必要があります:
1. 完全な救済を受けられること ボールだけでなく、スタンスやスイング区域も障害物にかからない場所でなければなりません。これを「完全な救済(Complete Relief)」といいます。
2. ホールに近づかないこと ニアレストポイントは、元のボールの位置よりもホールに近づいてはいけません。
3. 最も近い場所であること 上記の条件を満たす中で、元のボールの位置から最も近い場所がニアレストポイントとなります。
ニアレストポイントの決め方
まず、ボールが障害区域のどこに入ったかを確認しましょう。目視で確認できない場合は、最後に横切った地点を基準にします。
次に、もし障害物がなかったら使っていたはずのクラブを手に持ち、アドレスの姿勢をとります。このとき、ボール、スタンス、スイング区域のすべてが障害物にかからない場所を探します。
右利きのプレーヤーの場合、カート道の左右どちらかにニアレストポイントを決めることになりますが、カート道のちょうど真ん中にボールがある場合、通常は近い方のサイドがニアレストポイントとなります。
ただし、ニアレストポイントは必ずしもピンに一番近い場所ではありません。あくまでも安全にプレーできる場所であることが重要です。初心者の方は、自己判断で決めずに、キャディーさんや同伴競技者に確認しながら進めましょう。
ニアレストポイントが決まったら、ティーペッグなどで目印を置いておくと、その後の手順がスムーズに進みます。
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ドロップの仕方と注意点

ナイスショット!…とはいかず、ボールがOBだったりハザードに入ってしまったり、ゴルフではよくあることです。そんな時、初心者が戸惑うのが「リリーフ」。今回は、リリーフの中でも特に「ドロップ」の仕方と注意点を分かりやすく解説します。
ドロップとは
まず、ドロップとは、元のボールがあった場所やそこから一定の距離をとった場所に戻さずに、ルールに沿ってボールを拾い上げてから落とし、プレーを再開することです。
2019年のルール改正により、ドロップの方法が大きく変更されました。最も重要な変更点は、従来の肩の高さからではなく、膝の高さからボールを落とすことが義務付けられた点です。
この変更により、ボールが予想外の方向に転がることが減り、プレー時間の短縮にもつながっています。
正しいドロップの手順
ステップ1:ボールをマークする ボールを拾い上げる前に、必ずボールの位置をマークしましょう。これを忘れると1罰打が科されます。
ステップ2:救済エリアを確定する ニアレストポイントを基点として、パター以外の最も長いクラブ(通常はドライバー)で1クラブレングスまたは2クラブレングスの範囲を測ります。この範囲が救済エリアとなります。
ステップ3:膝の高さからドロップする 救済エリア内で、立った姿勢のまま膝の高さからボールを落とします。地面に落ちるまでボールに触れてはいけません。
ステップ4:ボールが止まった位置を確認 ドロップしたボールが救済エリア内に止まれば、そこからプレーを再開できます。救済エリア外に出てしまった場合は、再度ドロップが必要です。
ドロップの注意点
膝の高さとは 立った姿勢での膝の位置を指します。膝を曲げたり、しゃがみ込んだりする必要はありません。
間違った高さからのドロップ 肩の高さや腰の高さからドロップすると、間違った方法とみなされ、救済エリア内であれば1打の罰、救済エリア外であれば2打の罰が科されます。
ボールを投げない ボールは「落とす」のであって「投げる」のではありません。回転をかけたり、特定の方向に投げたりしてはいけません。
再ドロップのルール 1回目のドロップでボールが救済エリア内に止まらなかった場合、再度ドロップします。2回目でも止まらない場合は、2回目にボールが落下した地点にボールをプレースしてプレーを再開します。
救済エリア内でも戦略的に
救済エリア内であれば、どこにドロップしても構いません。ディボット跡やくぼみなどの打ちにくい場所を避け、なるべく打ちやすい場所にドロップするよう心がけましょう。
ドロップする位置は状況によって異なりますが、初心者のうちは経験豊富な同伴者やキャディーさんに確認するのがおすすめです。自己流で進めてしまうと、ペナルティが発生してしまう可能性もあるので注意が必要です。
リリーフはゴルフのルールの中でも複雑な部分ですが、基本をしっかり押さえておけば、落ち着いて対処できます。焦らず、ルールに則って正しくドロップを行いましょう!
リリーフの実践テクニック

リリーフを上手に活用するには、基本ルールを理解するだけでなく、実践的なテクニックも身につける必要があります。
カート道からのリリーフの実例
カート道は、ゴルフ場で最も頻繁にリリーフが必要となる場面の一つです。
カート道にボールが止まった場合、またはカート道にスタンスがかかる場合、無罰でリリーフを受けることができます。
まず、完全な救済を受けられるニアレストポイントを決定します。右利きのプレーヤーがカート道の中央にボールがある場合、通常は近い方のサイドがニアレストポイントとなります。
次に、そのニアレストポイントを基点として、1クラブレングス以内の救済エリアを設定し、膝の高さからドロップします。
修理地からのリリーフ
修理地は、青杭や白線で囲まれたエリアで、コースの整備中や養生中の場所を指します。
修理地にボールが入った場合、またはスタンスが修理地にかかる場合、無罰でリリーフを受けることができます。
手順はカート道からのリリーフと同様ですが、修理地の場合、ニアレストポイントの選択肢が複数ある場合があります。その際は、最も有利な場所を選ぶのではなく、最も近い場所を選ぶ必要があります。
一時的な水からのリリーフ
雨の後など、コース上に一時的な水たまりができることがあります。
ボールが水に浮いている、または水に沈んでいる場合、あるいはスタンスを取ったときに水が靴にしみ込む場合、無罰でリリーフを受けることができます。
ニアレストポイントを決定し、1クラブレングス以内の救済エリアにドロップします。
アンプレヤブルの活用
どうしてもボールが打てない状況(深いラフ、木の根元、急斜面など)では、1打罰でアンプレヤブルを宣言できます。
アンプレヤブルには3つの選択肢があります:
- 元の位置から打ち直す(ストロークと距離の救済)
- ボールの位置から2クラブレングス以内で、ホールに近づかない場所にドロップ
- ボールとホールを結ぶ後方線上にドロップ
状況に応じて最も有利な選択肢を選びましょう。
よくある質問(Q&A)|ゴルフのリリーフ(救済)
Q1:リリーフを受けるとき、必ず罰打が必要ですか?
A:いいえ、状況によります。動かせない障害物(カート道など)、異常なコース状態(修理地、一時的な水など)、目的外グリーンからのリリーフは無罰です。一方、アンプレヤブル、ペナルティーエリア、OBからのリリーフは罰打が必要です。
Q2:ドロップしたボールがまた悪い場所に止まってしまいました。もう一度ドロップできますか?
A:救済エリア内に止まっていれば、そのままプレーしなければなりません。ただし、救済エリア外に出てしまった場合は再ドロップが必要です。2回ドロップしても救済エリア内に止まらない場合は、2回目にボールが落下した地点にプレースします。
Q3:カート道にボールはないけど、スタンスがカート道にかかります。リリーフは受けられますか?
A:はい、受けられます。ボールが障害物の上になくても、スタンスやスイング区域が障害物にかかる場合、リリーフを受けることができます。これは「完全な救済」の概念に基づいています。
Q4:救済エリアが急斜面や林の中になってしまいます。リリーフを受けない選択はできますか?
A:はい、できます。リリーフを受けるかどうかはプレーヤーの選択です。救済を受けた方が難しくなる場合、そのままプレーする選択も可能です。
Q5:ニアレストポイントを決めるとき、どのクラブでアドレスすればいいですか?
A:もし障害物がなかったら使っていたはずのクラブを使います。自分に有利なクラブを選んでニアレストポイントを決めることはできません。
Q6:2019年と2023年のルール改正で何が変わりましたか?
A:2019年の主な変更点は、ドロップの高さが肩から膝に変更されたこと、リリーフエリアの概念が導入されたことです。2023年の主な変更点は、後方線上の救済エリアが「どの方向にも1クラブレングス以内」に変更されたこと、地面にくい込んだボールの救済がジェネラルエリアに制限されたことです。
Q7:競技ゴルフとプライベートゴルフで、リリーフのルールは違いますか?
A:基本的なルールは同じですが、競技ゴルフではより厳格にルールを守る必要があります。プライベートゴルフでは、プレーの進行を優先して簡略化する場合もありますが、競技に出場する予定があれば、正確なルールを理解しておくことが重要です。
Q8:バンカー内でリリーフは受けられますか?
A:バンカー内の動かせない障害物(レーキなど)や異常なコース状態からは、無罰でリリーフを受けられます。ただし、救済エリアはバンカー内に限定されます。バンカー外にリリーフを受けたい場合は、1打罰が必要です。
まとめ|ゴルフのリリーフ(救済)とは
ゴルフのリリーフは、困難な状況から救済を受けるための重要なルールです。
リリーフには「無罰の救済」と「罰ありの救済」があり、状況に応じて適切に活用することで、スコアを守り、スムーズなプレーを実現できます。
特に初心者の方は、以下のポイントを覚えておきましょう:
- ニアレストポイントは「完全な救済」を受けられる最も近い地点
- ドロップは膝の高さから行う(2019年改正)
- 救済エリアは1クラブレングスまたは2クラブレングス以内
- 2回ドロップしても止まらない場合は、2回目の落下地点にプレース
- 迷ったときは同伴者やキャディーに相談する
リリーフのルールを正しく理解し、実践で活用することで、ゴルフをより楽しむことができます。最初は複雑に感じるかもしれませんが、経験を積むことで自然と身についていきますので、焦らず一つずつ覚えていきましょう。
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