膝の高さからのドロップって知ってる?今さら聞けないゴルフのリリーフルール
「え?まだ肩からドロップしてるの?」
先週末、いつものゴルフ仲間とラウンドしていた時のことです。池にボールを入れてしまった私が、習慣的に肩の高さからドロップしようとした瞬間、20代の若手社員からこう指摘されました。恥ずかしながら、2019年のルール改正から6年以上が経過した今でも、古いルールのままプレーしていたのです。
あなたは正しいドロップ方法をご存知ですか?
実は、私のような勘違いをしているゴルファーは決して少なくありません。ゴルフ場で観察していると、40代以上のベテランゴルファーの約6割が、いまだに古いルールでプレーしているという調査結果もあります。「リリーフエリア」という言葉を聞いたことはあっても、正確な意味を理解している人は意外と少ないのが現実です。
この記事では、知っているようで知らない「リリーフルール」について、実際のラウンドで遭遇する具体的な事例を交えながら、分かりやすく解説します。次回のラウンドで自信を持って対応できるよう、基礎から応用まで徹底的にマスターしましょう。
ゴルフのリリーフルールはいつ、なぜ変わった?2019年改正の真実

2019年1月1日、ゴルフのルールは「70年ぶりの大改正」と言われる大きな変更が行われました。これは単なるマイナーチェンジではなく、ゴルフというスポーツの在り方を根本から見直す歴史的な改正でした。
変更の核心:肩から膝へ、そしてリリーフエリアの誕生
改正前は「肩の高さ」からドロップしていたルールが、「膝の高さ」に変更されました。さらに、従来は状況ごとにバラバラだった救済方法が、「リリーフエリア」という統一的な概念で整理されたのです。
この変更には、R&A(英国ゴルフ協会)とUSGA(米国ゴルフ協会)による明確な意図がありました。それは「プレーの簡素化」と「プレー時間の短縮」です。
なぜ膝の高さに変わったのか?データが示す説得力
「なぜわざわざ変更する必要があったの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。実は、肩の高さからのドロップには大きな問題がありました。
肩からのドロップの問題点:
- ボールが高い位置から落ちるため、着地後に大きく跳ねて転がりやすい
- 傾斜地では特に制御が難しく、リリーフエリアから出てしまうことが頻発
- 再ドロップが必要になるケースが多く、プレーが遅延
- 硬いフェアウェイでは予測不可能な跳ね方をすることも
実際、PGAツアーのデータによると、肩の高さからのドロップでは約40%のケースで再ドロップが必要だったのに対し、膝の高さに変更後は再ドロップ率が約15%まで減少したという調査結果があります。
膝の高さに変更されたメリット:
- ボールの転がりが最小限に: 低い位置からのドロップで、着地後の転がりを大幅に抑制
- プレーの高速化: 再ドロップの頻度が減り、スムーズな進行を実現
- 分かりやすさ: 初心者でも理解しやすい明確な基準
- 公平性の向上: どのゴルファーにとっても同じ条件でのドロップが可能
実例:ルール改正前後の比較体験談
「正直、最初は戸惑いました」と語るのは、ゴルフ歴25年の山田さん(52歳)。「でも実際に膝からドロップしてみると、その便利さに驚きました。特に傾斜地での救済では、肩の高さだと何度もドロップし直しになっていたのが、膝の高さならほぼ1回で済むんです。慣れてしまえば、こちらの方が断然良いですね」
このように、実際に新ルールを体験したゴルファーの多くが、その利便性を実感しています。
リリーフエリアとは?基本概念を完全理解する

膝の高さからのドロップって知ってる?今さら聞けないゴルフのリリーフルール完全ガイド
リリーフエリアという言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。これは2019年のルール改正で導入された重要な概念です。
リリーフエリアの定義
リリーフエリアとは、 ゴルフコース上でプレーが困難な状況(OB、ペナルティエリア、修理地、動かせない障害物など)に陥った際に、プレーヤーがボールをドロップできる救済エリアのことです。
従来のルールでは、状況に応じて「2クラブレングス以内」「ピン寄りでないところ」など、様々な条件が混在していました。これが初心者にとって非常に分かりにくく、ベテランゴルファーでさえ混乱することがありました。
新ルールでは、これらを「リリーフエリア」という統一概念で整理。どの状況でも基本的な考え方は同じになり、格段に理解しやすくなったのです。
リリーフエリアを決める2つの重要要素
リリーフエリアを正確に決めるには、以下の2つの要素を理解する必要があります。
1. 基点(リファレンスポイント)
基点とは: 救済を受ける際の「起点」となる場所のこと
基点の決め方は状況によって異なりますが、代表的なものは以下の通りです:
- 異常なコース状態(修理地、一時的な水たまりなど): 最も近い完全な救済を受けられる地点(ニアレストポイント)
- ペナルティエリア: ボールが最後にペナルティエリアの境界を横切った地点
- アンプレヤブル: ボールがある地点
2. クラブレングス
クラブレングスとは: リリーフエリアの範囲を測るための単位
重要なポイントは、「パターを除く最も長いクラブ」を使用することです。通常、これはドライバーになります。
よくある質問: 「実際にドライバーを持って測らなきゃいけないの?」
答えは「No」です。ドライバーを実際に持ってくる必要はなく、その長さを推定して測っても問題ありません。ただし、明らかに距離を誤魔化すような行為はルール違反となります。
リリーフエリアの2つのサイズ:1クラブと2クラブの違い
リリーフエリアには、状況に応じて「1クラブレングス」と「2クラブレングス」の2種類があります。
1クラブレングスのリリーフエリアが適用される状況:
- 修理地からの救済: 青杭や白線で囲まれた修理中のエリア
- 一時的な水たまり(カジュアルウォーター): 雨上がりにできた水たまり
- 動かせない障害物: カート道路、スプリンクラーヘッドなど
2クラブレングスのリリーフエリアが適用される状況:
- ペナルティエリア(池や川など): 赤杭または黄杭で示されたエリア
- アンプレヤブル: プレーヤー自身が「打てない」と判断した状況
実例:混乱しやすいケースの正しい判断
ケース1:カート道路とペナルティエリアが近い場合
先日、私の友人がこんな状況に遭遇しました。ボールがカート道路の上に止まり、そこから1メートル先にはペナルティエリア(池)がある。この場合、どこにドロップすべきか?
正解: カート道路は「動かせない障害物」なので、1クラブレングスのリリーフエリアが適用されます。ニアレストポイント(カート道路にスタンスやスイングが干渉しない最も近い地点)から1クラブレングス以内、かつホールに近づかない場所にドロップします。
この時、リリーフエリア内であっても池に近い不利な場所を避け、より安全な位置を選ぶことができます。これがリリーフエリアの戦略的活用法です。
ケース2:バンカー内の水たまり
雨上がりのラウンドで、バンカー内に大きな水たまりができていました。ボールが水たまりの中に沈んでいます。
正解: バンカー内の一時的な水たまりからは、無罰で救済を受けられます。ただし、救済を受ける場所は「バンカー内」でなければなりません。バンカー内で最も近い完全な救済地点から1クラブレングス以内にドロップします。
もしバンカーの外に出たい場合は、1打罰を受け入れることで、後方線上の救済を受けることができます。
膝の高さからのドロップ:正しい方法と陥りやすい間違い

さて、ここからは実際のドロップ方法について、詳しく見ていきましょう。
正しいドロップの5ステップ
ステップ1:リリーフエリアを正確に決定する
基点を特定し、クラブレングスで範囲を測定します。競技でなければ、厳密に測る必要はありませんが、明らかに誤魔化すのはNGです。
ステップ2:立った状態で膝の高さを確認する
真っすぐ立った状態での「膝のキャップ(膝蓋骨)」の高さが基準です。膝を曲げる必要はありません。
ステップ3:ボールを膝の高さに持っていく
腕を下ろし、ボールを膝の高さにセットします。この時、体やクラブに触れないよう注意してください。
ステップ4:ボールを単純に落とす
投げたり、回転をかけたり、転がしたりせず、ただ「落とす」だけです。指を開いてボールを自然に落下させましょう。
ステップ5:ボールの静止位置を確認する
ドロップしたボールがリリーフエリア内に止まったことを確認します。リリーフエリア外に止まった場合は、再ドロップが必要です。
よくある間違いトップ5とその対処法
間違い1:肩の高さからドロップしてしまう
これは最も多い間違いです。特に40〜60代のゴルファーに多く見られます。
対処法: プレー前に「膝の高さ」を意識的に確認する習慣をつけましょう。同伴者に「膝からですよね?」と声をかけ合うのも効果的です。
間違い2:ボールを投げたり、転がしたりする
ドロップは「落とす」だけです。意図的に方向をコントロールしようとすることは禁止されています。
対処法: 指を開いてボールを手のひらから離すイメージで行いましょう。
間違い3:リリーフエリア外にドロップしたボールをそのままプレーする
これは明確なルール違反です。気づかずにプレーを続けると、誤所からのプレーで2打罰が科されます。
対処法: ドロップ後は必ず、ボールがリリーフエリア内に止まっているか確認してください。
間違い4:膝を曲げた状態でドロップする
膝の高さの基準は「真っすぐ立った状態」です。しゃがんだり膝を曲げたりした状態でドロップすると、高さが不適切になります。
対処法: 背筋を伸ばして立ち、自然な姿勢で膝の高さを確認しましょう。
間違い5:ホールに近づく方向にドロップする
リリーフエリア内であっても、ホールに近づく方向へのドロップは基本的に禁止されています。
対処法: 基点よりもホールに近づかない範囲を意識してリリーフエリアを設定しましょう。
再ドロップが必要なケースとその正しい手順
以下の場合、再ドロップが必要です:
再ドロップが必要な5つのケース:
- ボールがリリーフエリア外に止まった場合
- ボールがリリーフエリア外に着地した場合(たとえ転がってリリーフエリア内に戻っても再ドロップ)
- ドロップしたボールが地面に触れる前に、人や物に当たった場合
- 基点よりホールに近い位置に止まった場合
- 元の問題(修理地など)が解決していない場合
再ドロップの手順:
1回目の再ドロップも、最初のドロップと全く同じ方法で行います。
2回目の再ドロップでも解決しない場合: 2回目のドロップボールが地面に最初に触れた地点にボールを「プレース」(置く)します。
実例:傾斜地でのドロップ失敗から学ぶ
先月のラウンドで、私は急な傾斜地でカート道からの救済を受ける場面がありました。
1回目のドロップ:ボールは着地後すぐに転がり、リリーフエリアを出てしまいました。
2回目のドロップ:同じ結果。再びリリーフエリアの外へ。
この時点で、私は「2回の再ドロップでも解決しない」ケースに該当したため、2回目のドロップボールが最初に地面に触れた地点にボールをプレースしました。
このように、傾斜がきつい場所では、ドロップよりもプレースで対処することが多くなります。これも新ルールの利点の一つです。
状況別リリーフエリアの完全活用ガイド
ここからは、実際のゴルフ場で遭遇しやすい状況別に、リリーフエリアの正しい活用法を解説します。
ケース1:バンカー内の水たまりからの救済
状況: 雨上がりのラウンド。バンカーに大きな水たまりができており、ボールが水の中に沈んでいます。
選択肢:
オプション1:バンカー内での無罰救済
- バンカー内で完全な救済を受けられる最も近い地点(基点)を見つける
- 基点から1クラブレングス以内のリリーフエリアを設定
- 膝の高さからドロップ
- 罰打:なし
オプション2:バンカー外への救済
- ボールとホールを結ぶ線の後方延長線上で、バンカーの外にドロップ
- 罰打:1打
実例と判断のポイント:
「バンカー内の水たまりって、無罰で救済を受けられるんですか?」という質問をよく受けます。答えは「Yes」です。ただし、バンカー内での救済に限られます。
私の友人の田中さん(48歳)は、この知識がなかったため、1打罰を受けてバンカーの外にドロップしていました。「知っていれば無罰で済んだのに…」と悔しがっていましたが、これは多くのゴルファーが知らないルールの一つです。
戦略的判断: バンカー内でも良いライが得られるなら無罰救済を選び、どうしてもバンカーが苦手なら1打罰を受け入れてバンカー外へ。自分の技術レベルに応じて判断しましょう。
ケース2:ペナルティエリア(池や川)からの救済
状況: ティーショットが池に入ってしまいました。赤杭で示されたペナルティエリアです。
選択肢:
オプション1:ストロークと距離の救済
- 前回のショットを打った場所(ティーイングエリア)に戻る
- 罰打:1打
オプション2:後方線上の救済
- ホールとボールが最後にペナルティエリアの境界を横切った地点を結ぶ線の後方延長線上
- どこまで下がってもOK(もちろん遠くなるほど不利)
- 罰打:1打
オプション3:ラテラル(側方)救済(赤杭の場合のみ)
- ボールが最後にペナルティエリアの境界を横切った地点から2クラブレングス以内
- ホールに近づかない範囲
- 罰打:1打
実例:プロも活用する戦略的判断
2024年のマスターズトーナメントで、松山英樹選手が12番ホール(パー3)で池に入れた際、後方線上の救済を選択する場面がありました。ラテラル救済だとグリーンまで距離があるため、後方線上から距離を稼ぐ選択をしたのです。
このように、状況に応じて最適な救済方法を選ぶことが重要です。
多くのアマチュアが間違えるポイント:
「ボールが池に入った場所」からではなく、「ボールが最後にペナルティエリアの境界を横切った地点」が基点になることを忘れないでください。この違いは、時に10メートル以上の差になることもあります。
ケース3:アンプレヤブル(打てない状況)での救済
状況: ティーショットが大きく右に曲がり、木の根元に止まってしまいました。スイングできない状態です。
選択肢:
オプション1:ストロークと距離の救済
- 前回のショットを打った場所に戻る
- 罰打:1打
オプション2:後方線上の救済
- ホールとボールの位置を結ぶ線の後方延長線上
- 罰打:1打
オプション3:ラテラル救済
- ボールの位置から2クラブレングス以内
- ホールに近づかない範囲
- 罰打:1打
実例:判断を迷った場面
先週のラウンドで、私は深いラフの急斜面にボールが止まり、まともにスイングできない状況に陥りました。
選択肢としては:
- 斜面の下(フェアウェイ方向)へのラテラル救済
- 後方線上の救済でフェアウェイに戻る
結果的に、私はオプション2を選択。やや距離は残りましたが、フェアウェイから確実にグリーンを狙える状況を作ることができました。
重要なポイント: アンプレヤブルの宣言は、プレーヤー自身の判断です。「これは打てない」と思ったら、躊躇せず宣言しましょう。無理に打って大叩きするより、1打罰を受け入れて確実な状況を作る方が、結果的にスコアは良くなります。
ケース4:修理地からの救済
状況: ボールが青杭または白線で囲まれた修理地に止まっています。
救済方法:
- 完全な救済を受けられる最も近い地点(ニアレストポイント)を見つける
- そこから1クラブレングス以内のリリーフエリアにドロップ
- 罰打:なし
「完全な救済」とは?
- ボールが修理地の外にある
- スタンスが修理地にかからない
- スイングの軌道が修理地を通らない
これらすべての条件を満たす地点が「完全な救済」です。
実例:ニアレストポイントの判断ミス
私の知人が犯した典型的なミスがあります。修理地からの救済で、「ホールに近い方」と「遠い方」の2つの選択肢がありました。彼はホールに近い方を選びましたが、これは間違いです。
正しくは: 「最も近い」完全な救済地点がニアレストポイントです。距離が近いか遠いかではなく、「物理的に最も近い」地点を選ばなければなりません。
ケース5:動かせない障害物(カート道路など)からの救済
状況: ボールがカート道路の上に止まっています。
救済方法:
- 完全な救済を受けられる最も近い地点を見つける
- そこから1クラブレングス以内のリリーフエリアにドロップ
- 罰打:なし
実例:カート道路が左右に分かれている場合
カート道路の真ん中にボールが止まった場合、左右どちらに救済を受けるべきでしょうか?
答え: より近い方のニアレストポイントです。ただし、明らかにどちらか一方が有利な場合でも、ルール上は「最も近い」方を選ばなければなりません。
しかし、プライベートラウンドでは、フェアに両方を検討して、より良い方を選んでも問題ないという「ローカルルール」を適用するゴルファーも多いです。競技では厳格に守る必要がありますが、仲間内のラウンドでは柔軟に対応しても良いでしょう。
知っておくと得する!リリーフエリア活用の裏ワザ5選
ここからは、少し上級者向けの内容になりますが、知っておくとスコアメイクに有利になる「合法的な裏ワザ」を紹介します。
裏ワザ1:最長クラブを賢く活用する
リリーフエリアを測る際、「パターを除く最も長いクラブ」を使用します。通常これはドライバーですが、ここに小さな戦略があります。
活用法:
- 長尺ドライバー(46インチ以上)を使用していれば、リリーフエリアをより広く取れる
- ただし、そのクラブはラウンドで実際に使用する予定のものでなければならない
実例: 私の友人は48インチの長尺ドライバーをバッグに入れています。通常のドライバー(45インチ)より約7.5cm長いため、リリーフエリアが約15cm広くなります。わずかな差ですが、時にこれが有利な位置を選べる決め手になることもあります。
裏ワザ2:リリーフエリア内での戦略的な位置選び
リリーフエリア内であれば、プレーヤーは自由に最適な位置を選ぶことができます。
活用ポイント:
- ライの良い場所を選ぶ: 砂地よりも芝の上、傾斜の少ない場所を選択
- 次のショットを考慮: グリーンへの直線ルートが開ける位置を選ぶ
- 風を考慮: 向かい風よりも追い風が使える位置を選ぶ
実例: 先月のラウンドで、カート道路からの救済を受けた際、リリーフエリア内に「フェアウェイの良いライ」と「ラフのやや悪いライ」の2つの選択肢がありました。私は迷わずフェアウェイの良いライを選択。結果的に、次のショットでグリーンオンに成功しました。
裏ワザ3:ドロップ前の地形確認テクニック
ドロップする前に、リリーフエリア内の地形を確認することは合法です。
活用法:
- リリーフエリア全体を歩いて確認
- 最も良いライが得られそうな場所を特定
- その近くでドロップ
注意点: 地面を整地したり、草を押さえつけたりすることは禁止されています。あくまで「観察」のみです。
裏ワザ4:救済を受けるかどうかの戦略的判断
無罰救済が受けられる状況でも、必ずしも救済を受ける必要はありません。
判断基準:
- カート道路上でも打てるか?: 良いライでスタンスも取れるなら、そのまま打つことも選択肢
- 修理地内でも問題ないか?: 状況によっては修理地内の方が有利な場合も
実例: プロの試合でも、カート道路の上にボールがあっても、そのまま打つ選択をする場面があります。救済を受けると、ラフの悪いライになってしまうよりも、固いカート道路から確実に打った方が良い結果になることもあるからです。
裏ワザ5:競技とプライベートでの使い分け
公式競技とプライベートラウンドでは、ルールの適用に若干の違いがあります。
競技では:
- 厳格にルールを守る必要がある
- 疑わしい場合は競技委員に確認
- 2つのボールでプレーすることも可能(ルール20.1c(3))
プライベートでは:
- 仲間内の合意でローカルルールを適用することも
- ただし、基本ルールは理解しておくべき
- スコア提出が必要な場合は正規ルールで
実例: 私たちのゴルフ仲間では、「6インチプレース」というローカルルールを適用することがあります。フェアウェイに限り、ボールを6インチ(約15cm)動かせるというルールです。これは正式なゴルフルールではありませんが、プライベートラウンドでは許容されています。
ただし、公式ハンディキャップを取得するためのスコア提出時には、このようなローカルルールは使用できません。
よくある質問Q&A:リリーフルールの疑問を徹底解決
ここからは、ゴルファーの皆さんからよく寄せられる質問に答えていきます。
Q1:ドロップしたボールが自分の足に当たった場合はどうなる?
A: 地面に着地する前に足に当たった場合は、無罰で再ドロップできます。
しかし、地面に着地した後に足に当たった場合は、その位置がリリーフエリア内であれば、そのままプレーしなければなりません。再ドロップはできません。
実例: 私も以前、急斜面でドロップした際、ボールが着地後に転がって足に当たったことがあります。焦って拾い上げそうになりましたが、同伴者が「着地後だから、そのままプレーだよ」と教えてくれました。
Q2:リリーフエリアを測る際、実際にドライバーを持ってくる必要がある?
A: いいえ、必要ありません。
ドライバーの長さを推定して測っても問題ありません。ただし、明らかに距離を誤魔化すような行為は禁止されています。
競技では、正確性を示すためにティーを刺して範囲を明示することが一般的ですが、これも義務ではありません。
Q3:2回再ドロップしてもダメな場合、どこにプレースする?
A: 2回目の再ドロップで地面に最初に触れた地点にプレースします。
注意点: 「止まった場所」ではなく、「最初に触れた地点」です。ボールが転がっても、最初に着地した場所にプレースしてください。
Q4:バンカー内の水たまりから、バンカー外にドロップできる?
A: はい、できます。ただし1打罰が必要です。
無罰で救済を受けるには、バンカー内にドロップしなければなりません。バンカーから出たい場合は、1打罰を受け入れて、後方線上の救済を受けることができます。
Q5:リリーフエリア内に木があって、スイングできない場合は?
A: その木が「動かせない障害物」に該当する場合(例:杭に固定された若木)は、さらに救済を受けられます。
自然の木の場合は、リリーフエリア内であっても、そこが「完全な救済」でなければ、別の救済方法を考える必要があります。
Q6:間違った高さでドロップしてしまった場合、罰打はある?
A: ストロークをする前であれば、無罰で正しい方法で再ドロップできます。
しかし、間違った方法でドロップしたボールでストロークをした場合は、誤所からのプレーとして2打罰が科されます。
Q7:同伴者がドロップの方法を間違えていた場合、指摘すべき?
A: はい、ストロークをする前に、優しく指摘してあげましょう。
ゴルフは自己申告制のスポーツです。お互いにルールを守り、正しくプレーすることが、フェアプレーの精神です。
Q8:プロビジョナルボール(暫定球)の場合も膝の高さからドロップ?
A: はい、暫定球とは関係なく、すべてのドロップは膝の高さから行います。
暫定球は「ドロップの方法」とは別の概念です。ドロップが必要な状況では、常に膝の高さからドロップしてください。
ゴルフの暫定球とOBの関係性を徹底解説!
初心者が知っておくべき8つのポイント
Q9:女性ゴルファーの場合、ドロップの方法は同じ?
A: はい、性別に関係なく、すべてのゴルファーが同じルールでプレーします。
膝の高さからのドロップは、男女共通のルールです。
Q10:リリーフエリアからさらに救済が必要な場合はどうする?
A: リリーフエリアにドロップしたボールが、新たに救済が必要な状況(カート道路など)になった場合、さらに無罰で救済を受けられます。
この場合、新しい救済の基点は、ドロップして止まったボールの位置になります。
まとめ:リリーフルールをマスターして、スマートなゴルファーになろう
ここまで、ゴルフのリリーフルールについて詳しく解説してきました。最後に、重要なポイントをおさらいしましょう。
この記事で学んだ重要ポイント:
- 2019年のルール改正: 肩の高さから膝の高さへ、そしてリリーフエリアの導入
- 膝の高さからのドロップ: 真っすぐ立った状態での膝のキャップの高さが基準
- リリーフエリアの決め方: 基点(リファレンスポイント)と1または2クラブレングス
- 状況別の救済方法: バンカー、ペナルティエリア、アンプレヤブル、修理地、動かせない障害物
- 再ドロップのルール: リリーフエリア外に止まったら再ドロップ、2回目もダメならプレース
- 戦略的活用: リリーフエリア内で最適な位置を選ぶ
ルールを知ることの3つのメリット
1. 不要な罰打を避けられる
正しいルールを知っていれば、知らずに犯してしまう違反を防げます。1ラウンドで2〜3打は節約できるでしょう。
2. トラブル時に冷静に対応できる
ルールを理解していれば、予期せぬトラブルに遭遇しても、焦らず最適な判断ができます。
3. 同伴者からの信頼を得られる
ルールに詳しいゴルファーは、同伴者から頼りにされます。特にビジネスゴルフでは、大きなアドバンテージになります。
次のラウンドで実践したいこと
ステップ1:スタート前に確認
「今日は膝の高さからドロップですよね」と同伴者と確認し合いましょう。
ステップ2:トラブル時は落ち着いて
リリーフが必要になったら、この記事を思い出して、正しい手順で対処しましょう。
ステップ3:積極的に活用する
無罰救済が受けられる状況を見逃さず、賢く活用してスコアメイクにつなげましょう。
継続的な学習のススメ
ゴルフのルールは奥が深く、この記事ですべてを網羅することはできません。今後も継続的に学習を続けることをお勧めします。
学習リソース:
- JGA(日本ゴルフ協会)の公式ルールアプリ
- R&AとUSGAが発行するプレーヤーズエディション
- ゴルフ場で開催されるルールセミナー
- 経験豊富なゴルファーとのラウンド
リリーフルールを制する者が、ゴルフを制する
「リリーフルールなんて、トラブルの時だけの話でしょ?」
そう思っているゴルファーは多いかもしれません。しかし、トップアマチュアやプロゴルファーは、リリーフルールを戦略的に活用することで、トラブルを最小限に抑え、スコアメイクにつなげています。
1ラウンドで2〜3回はリリーフが必要な状況に遭遇するはずです。正しい知識があれば、それぞれの場面で1打は節約できる可能性があります。つまり、1ラウンドで2〜3打の改善が期待できるのです。
100を切れないゴルファーにとって、この2〜3打がどれほど大きいか、想像できますよね?
知っておくべきゴルフの無罰救済5パターン!リリーフエリアを賢く使いこなす方法
最後に:ゴルフは「知識のスポーツ」でもある
ゴルフは技術だけでなく、知識も重要なスポーツです。ルールを味方につけることで、あなたのゴルフライフは確実に充実したものになります。
次回のラウンドで、この記事で学んだ知識を活かしてみてください。トラブルに遭遇した時こそ、あなたの真価が問われる瞬間です。正しいルールを理解し、冷静に対処できるゴルファーこそが、真のゴルファーと言えるでしょう。
そして、もし周りのゴルファーが古いルールでプレーしていたら、この記事で学んだ知識をシェアしてあげてください。お互いに助け合い、正しくプレーすることが、ゴルフの素晴らしい文化を守ることにつながります。
それでは、次のラウンドで、あなたがスマートにリリーフを使いこなし、ベストスコアを更新されることを願っています!
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