ゴルフ場スタッフが明かす！知って得する正しいリペア術とNG行動3選

「あれ？このグリーン、デコボコしてるな…」

週末のラウンドで、そんな経験はありませんか？

実は、あのデコボコの正体は「正しくリペアされなかったボールマーク」かもしれません。私はゴルフ場で10年以上働いてきましたが、多くのゴルファーが「リペア」を間違った方法で行っていることに気づきました。

この記事では、元ゴルフ場スタッフの私が、プロも実践する「正しいリペア術」と「絶対にやってはいけないNG行動3選」を徹底解説します。さらに、2023年以降の最新ルール改正情報も盛り込んでいますので、コース保全とスコアメイクの両方に役立つ内容となっています。

さあ、ゴルフ場の裏側から見た「リペアの真実」に迫りましょう！

ゴルフ場スタッフが本音で語る！リペアの重要性

グリーン上のボールマークとリペアツール

「リペアって、そんなに大事なの？」と思われるかもしれません。

結論から言えば、超重要です。

私がゴルフ場で働いていた時、朝一番にコース整備をすると、前日のプレーヤーがどれだけマナーを守っていたかが一目瞭然でした。特にグリーンは「ゴルフコースの顔」。その日の最初のプレーヤーが気持ちよくパットできるかどうかは、前日のゴルファーの「リペア意識」にかかっているのです。

ある日の早朝、ベテランのグリーンキーパーがこうつぶやきました。

「正しくリペアされたボールマークは24時間で元通りになる。でも間違ったリペアは、元に戻るまで2週間以上かかることもあるんだよ」

つまり、あなたの「5秒のリペア」が、コースの状態を大きく左右するのです。

リペアが注目される背景

近年、ゴルフ場の経営環境は厳しさを増しており、グリーンキーパーの人員削減が進んでいます。そのため、プレーヤー自身によるコース保全の重要性がこれまで以上に高まっています。プロトーナメントでは、選手たちが自分のボールマーク以外も積極的に修復する姿が頻繁に見られるようになりました。

また、芝生の品種改良や管理技術の進歩により、グリーンのスピードは年々速くなっています。速いグリーンほど、わずかなボールマークの影響が大きくなるため、正確なリペア技術がより重要になっているのです。

正しいリペア術：コースを美しく保つプロの技

フェアウェイでのディボット修復

グリーン上のボールマーク修復法

グリーン上のボールマーク。これを修復する正しい方法をご存知ですか？

実は、多くのゴルファーが間違った方法でリペアしています。正しい方法は次の通りです：

ピッチマークフォークをボールマークの外側に45度の角度で差し込む
外側から中心に向かって、芝生を優しく押し込む
周囲を均等に押し込み、表面を平らにする
パターの裏などで軽く表面を押さえて完成

一番のポイントは、決して中心から持ち上げないことです。これが最大のNG行動。持ち上げると芝生の根を傷つけ、回復に何週間もかかってしまいます。

ゴルフ場のグリーンキーパーが密かに嘆いているのが、この「持ち上げリペア」なのです。

季節によるリペアのコツ

実は、リペアの効果は季節によって異なります：

春（3月〜5月）： 芝の成長期なので、正しくリペアすれば回復が早い。逆に、間違った方法だと雑草の侵入を許してしまう可能性も。

夏（6月〜8月）： 高温多湿でグリーンがストレスを受けやすい時期。丁寧なリペアがより重要に。特に真夏の午後は芝が弱っているため、優しく扱うこと。

秋（9月〜11月）： 最もゴルフに適した季節。芝の回復力も高いが、台風後などはグリーンが軟らかくなり、ボールマークが深くなりやすいので要注意。

冬（12月〜2月）： 芝の成長が止まる時期。リペアしても完全回復まで時間がかかるため、特に丁寧な作業が求められる。

知って得するゴルフ用語: リペア

バンカー内でのリペア

2019年のゴルフ規則改正で、バンカー内での足跡などの修復が認められるようになりました。知らない方も多いこの変更、積極的に活用しましょう！

バンカー内でのリペア手順：

自分のショット後、レーキで砂をならす
入る前の足跡も丁寧にならす
レーキは砂バンカーの外（通常は縁の外側）に戻す

バンカー内でのリペアは「次のプレーヤーへの思いやり」の象徴です。実はゴルフ場スタッフは、レーキの置き方でそのゴルファーのマナーレベルを判断していることも…。

2023年ルール改正の注意点： バンカー外のアンプレヤブル救済における「後方線上の救済エリア」が変更されました。救済の基点から1クラブレングス以内にボールが止まれば救済完了となり、より柔軟な対応が可能になっています。

フェアウェイでのディボット修復

芝生が剥がれたディボット。これもリペアの重要ポイントです。

フェアウェイでのディボット修復法：

剥がれた芝生を見つけたら拾い上げる
元の位置に戻し、芝目の向きを合わせる
足で軽く踏んで定着させる
砂や目土が用意されている場合は、それを使って修復

コース管理の観点から言うと、ディボットの修復は芝生の健康維持に直結します。一流のゴルファーほど、この作業を丁寧に行う傾向があります。

プロが実践する最新リペア技術

近年、プロの間で注目されているリペア技術があります：

「時計回りリペア法」： ボールマークを時計の文字盤に見立て、12時、3時、6時、9時の位置から中心に向かって芝を寄せる方法。均等に力が分散され、仕上がりが美しくなります。

「二段階リペア法」： 最初にフォークで芝を寄せた後、一度パターで押さえ、さらに微調整する方法。トーナメント会場でよく見られる丁寧な手法です。

ゴルフ場スタッフが見た！絶対NGな行動3選

10年以上ゴルフ場で働いてきた経験から、「これはやめてほしい」と思うNG行動ベスト3を紹介します。

NG行動①：ボールマークを「持ち上げる」修復

最も多いNG行動がこれ。 ピッチフォークでボールマークの中心から持ち上げる修復方法です。

あるベテランゴルファーは、「昔からこうやって直してきた」と言いますが、実はこの方法、芝生の根を切断してしまうため、グリーンにとって最悪の修復法なのです。

正しい方法は前述の通り、外側から中心に向かって押し込むこと。この違いだけで、グリーンの回復速度が10倍以上変わることもあります。

なぜ持ち上げ法がダメなのか：

芝の根が切断され、水分や栄養の吸収が阻害される
土壌構造が破壊され、雨水の浸透が悪くなる
病害虫の侵入口を作ってしまう
修復後の芝が不均一に成長し、グリーンの均一性が損なわれる

NG行動②：他人のボールマークを無視する

「自分のボールマークだけ直せばいい」と思っていませんか？

実は、プロゴルファーやシングルプレーヤーに多い習慣が「自分のボールマークに加えて、もう1つ別のボールマークも直す」ということ。

私が驚いたのは、あるトーナメントの練習日。プロたちは自分のボールマークだけでなく、周囲のボールマークも次々と直していったのです。

「良いゴルファーは、コースから何かをもらうだけでなく、何かを返す」

これは、ある有名プロの言葉です。ゴルフは「ギブ&テイク」の精神で成り立っているのかもしれません。

統計データ： 日本ゴルフ場経営者協会の調査によると、18ホールで平均120個のボールマークが発生しますが、実際に修復されるのは約60%程度。残りの40%が放置され、グリーンの品質低下につながっています。

NG行動③：リペアツールを持たずにプレーする

「ピッチフォーク？ティペグで代用できるから…」

これは大きな間違いです。 ティペグはリペアに適した形状ではなく、むしろグリーンを傷つけることも。

プロゴルファーやシングルプレーヤーは例外なく専用のリペアツールを持っています。なぜなら、それだけリペアが重要だからです。

ちなみに、最近はマルチツールタイプのリペアツールも人気。ボールマーク修復、グリーン上のライン引き、クラブフェース掃除などが一つでできる便利なアイテムです。

リペアツール携帯率： シングルプレーヤーの98%がリペアツールを携帯しているのに対し、ハンディキャップ20以上のゴルファーでは約45%にとどまるという調査結果があります。スコアとマナー意識には相関関係があるのかもしれません。

知って得する！リペアツールの選び方と活用法

プロも愛用するリペアツール3選

リペアツールは大きく分けて以下の3種類があります：

1. ピッチマークフォーク（グリーンフォーク）

最も一般的。2〜4本の短い突起があり、グリーンに差し込みやすい。

価格帯： 500円〜3,000円
メリット： シンプルで使いやすい、軽量
おすすめユーザー： 初心者から上級者まで

2. マルチツール

ピッチフォーク機能に加え、ボールマーカーやクリーナー機能が付いた多機能タイプ。

価格帯： 1,500円〜5,000円
メリット： 1つで複数の用途、おしゃれなデザインも多い
おすすめユーザー： 便利さ重視のゴルファー

3. ディボットツール

フェアウェイのディボット修復専用。先端が平たく、芝生を押し戻しやすい形状。

価格帯： 800円〜2,500円
メリット： フェアウェイでの作業効率が高い
おすすめユーザー： フェアウェイキープ率の高いゴルファー

素材も金属製、プラスチック製、木製などがあり、それぞれ特徴があります。プロゴルファーの多くは、耐久性の高い金属製を好む傾向にあります。

リペアツールの意外な活用法

実はリペアツールには、ボールマーク修復以外にも様々な使い方があります：

グリーン上の小さな虫や葉っぱを取り除く
ティアップの高さを調整する（ティペグを地面に刺す深さの目安に）
バンカー内でクラブが砂に触れているかの確認（砂に線を引く）
ボールに付いた泥を落とす
グリーン上のラインを確認する際の目印

ゴルフ場で働いていると、上級者ほどリペアツールを様々な場面で活用していることに気づきます。

ゴルフ場スタッフが教える！リペアのベストタイミング

リペアをするタイミングも重要です。実はこれについて、多くのゴルファーが誤解しています。

ボールマークのリペアタイミング

「ボールマークはいつ直すべき？」

答えは明確です：見つけたらすぐに。

特にグリーン上のボールマークは、時間が経つほど修復が難しくなります。理想的には、ボールが着地してから15分以内の修復が望ましいとされています。

ただし、他のプレーヤーのプレーを妨げないよう配慮することも大切です。パッティング中の人がいる場合は、その人のプレーが終わるまで待ちましょう。

科学的根拠： 芝生科学の研究によると、ボールマーク発生後30分以内にリペアした場合の回復率は約85%ですが、1時間後になると回復率は60%程度まで低下します。時間との戦いなのです。

プレー進行を妨げないリペア術

「リペアしたいけど、プレーのペースも気になる…」

このジレンマを解決する方法があります：

グリーンに到着したら、まず自分のボールマークを確認
パッティングの順番を待つ間に、自分と他人のボールマークを修復
ホールアウト後、最後の人がもう一度グリーンを確認

この「リペアルーティン」を取り入れると、プレー進行を妨げることなく、コース保全に貢献できます。

タイムマネジメント： 1つのボールマークの修復にかかる時間は平均5〜7秒。4人組で各自が2つずつ修復しても、グループ全体で約50秒程度。プレー進行にはほとんど影響しません。

雨天時の特別なリペア方法

雨の日や雨上がりのラウンドでは、グリーンが柔らかくなり、ボールマークが通常より深くなります。この場合：

より多くのポイント（6〜8箇所）から芝を寄せる
通常より時間をかけて丁寧に作業する
修復後は特に念入りにパターで押さえる
可能であれば、翌週のラウンドでも同じホールをチェックする

雨天後のグリーンは、ゴルファーのマナー意識が最も試される時でもあります。

ゴルフ場が感謝する！リペアマスターへの道

リペアを習慣化するコツをご紹介します。

リペア習慣化のための5つのコツ

1. リペアツールを目につく場所に

ポケットの中ではなく、ボールポケットやグローブと一緒に保管。常に手に取りやすい場所に置くことで、リペアが習慣化されます。

2. 「自分+1」の法則

自分のボールマークに加え、必ず他のボールマークも1つ修復する習慣をつける。これだけで、グリーンの状態は劇的に改善します。

3. 仲間内で声掛け

「ボールマーク直した？」と声を掛け合うことで意識向上。チーム全体でコース保全に取り組む姿勢が大切です。

4. 朝一番のリペアチェック

ラウンド開始前に、リペアツールを手に持ち、使いやすさを確認。一日の始まりにリペアを意識することで、ラウンド中も自然と行動できます。

5. リペア日記をつける

ラウンド後に「今日は何個リペアしたか」を記録。ゲーム感覚で楽しみながら、コース保全に貢献できます。

私がゴルフ場で見てきた「リペア上手」なゴルファーは、例外なくこれらの習慣を持っていました。

プロも実践！リペアの小技

プロゴルファーから学んだリペアの小技をいくつか紹介します：

1. グリーンに上がる前に、ポケットのリペアツールを手に持っておく

到着してすぐに作業できる準備をしておくことで、時間のロスを最小限に。

2. ボールマークが見つからない場合は、ボールの落下地点から逆算して探す

空中でのボール軌道を思い出し、着地点を推測。見つけやすくなります。

3. 雨の日は特に丁寧にリペア

水分を含んだグリーンは傷みやすい。通常より時間をかけて慎重に作業します。

4. ボールマーク修復後、パターの裏で軽く表面を押さえると仕上がりが良くなる

最後の仕上げが、プロとアマの差。グリーン表面の平滑性が大きく向上します。

5. 朝露が残る時間帯はボールマークが見つけやすい

早朝のラウンドでは、芝の色の違いでボールマークが識別しやすくなります。

これらの小技を取り入れれば、あなたもリペアマスターへの道を歩めるでしょう。

デジタル時代のリペア管理

最近では、スマートフォンアプリを使ってリペア活動を記録するゴルファーも増えています：

「Golf Repair Tracker」： リペア数を記録し、月間・年間の統計を表示。友人と競い合うこともできます。

「Green Keeper」： ラウンドしたゴルフ場ごとのリペア状況を記録。コース保全への貢献度を可視化します。

「Eco Golf」： リペア活動をポイント化し、環境保全活動としてSNSでシェアできます。

デジタルツールを活用することで、リペアのモチベーション維持にもつながります。

Q&A：リペアに関するよくある質問

Q1. ボールマークと思って修復したが、実は虫の穴だった。ペナルティはある？

A1. グリーン上の凹凸を修復する行為自体にペナルティはありません。ただし、2023年のルール改正により、グリーン上のボールマークやスパイクマークは修復できますが、それ以外の損傷（例：虫や動物による穴）の修復は認められていません。判断が難しい場合は、同伴競技者と相談することをおすすめします。

Q2. 他人のボールマークを直すのは義務？それとも任意？

A2. ルール上は任意ですが、ゴルフエチケットとしては強く推奨されています。JGA（日本ゴルフ協会）のエチケット指針でも、「グリーンのボールマークは見つけ次第修復すること」が明記されています。特に、自分のボールの軌道上にある他人のボールマークは、修復することでプレーの公平性も保たれます。

Q3. リペアツールを忘れた場合、ティペグで代用してもいい？

A3. 緊急時の代用は可能ですが、推奨されません。ティペグは先端が鋭すぎて芝の根を傷つけやすく、また作業効率も悪いため。クラブハウスやスターターブースで借りられる場合が多いので、忘れた場合は必ず借りましょう。最近では、100円ショップでも簡易的なリペアツールが販売されています。

Q4. バンカーでレーキをかけるのは、打つ前？打った後？

A4. 打った後が正解です。2019年のルール改正により、バンカー内のルースインペディメント（小石、葉っぱなど）を取り除くことは認められましたが、打つ前にレーキで砂をならすと「テストのために砂に触れた」と見なされ、2打罰になります。自分のショット後は必ずレーキで整地し、次のプレーヤーのために美しい状態にしておきましょう。

Q5. グリーン上で誤って他人のボールマークも一緒に修復してしまった。問題ある？

A5. まったく問題ありません。むしろ推奨される行為です。グリーン上のボールマークは誰が直しても構いません。実際、プロトーナメントでは、選手が自分のライン上にある他人のボールマークを積極的に修復している姿がよく見られます。「コースは皆のもの」という精神で、見つけたボールマークはどんどん直していきましょう。

Q6. ディボットに砂を入れる際、盛り上がってしまった。削り取るべき？

A6. そのままで大丈夫です。少し盛り上がる程度なら、雨や風で自然に平らになります。ただし、明らかに過剰な場合は、手や足で軽く均す程度の調整はしても構いません。大切なのは、剥がれた芝の部分が露出したままにならないこと。完璧を目指すよりも、次のプレーヤーがプレーしやすい状態にすることを優先しましょう。

Q7. 練習グリーンでもリペアは必要？

A7. はい、本コースと同様に必要です。練習グリーンも本グリーンと同じ芝を使用しており、ボールマークは発生します。特にアプローチ練習でボールを落とす場合は、必ずリペアを。練習グリーンでのマナーが、本コースでの習慣につながります。多くの上級者は、練習グリーンでこそ丁寧なリペアを心がけています。

Q8. 冬場の凍結したグリーンでもリペアは可能？

A8. 凍結時は無理にリペアしないでください。凍った状態で作業すると、かえって芝を傷めてしまいます。この場合は、ボールマークの位置を覚えておき、日中気温が上がって解凍してから修復するのがベスト。または、ゴルフ場のスタッフに報告するのも一つの方法です。冬季クローズドシーズンを設けているゴルフ場が多いのは、こうした理由もあります。